【激ヤバ!中国ネット事情】検索エンジンbaiduのSEO考察!中国政府の言論規制が想像以上

china

※できたら普通の人にも読んでもらいたい記事です

「中国人向けにサイトを作りたい」という相談を受けまして、中国のネット事情を調べてたんですけど、僕ら日本人の感覚からするとネットにおける「アクセス&言論規制」が凄くて衝撃を受けました。

備忘録も兼ねて「中国のネット事情および主要検索エンジンであるbaiduに対するSEO」について調べた内容をまとめてみます。う~ん…これは攻略難度Sかもしれない。

参考記事一覧:

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中国のネット事情・言論規制

china2

知ってるようで知らなかった中国のネット事情。
皆さんには中国人の知り合いっていますか?

ちょっとだけ話がそれますが…僕は大学・大学院と人工知能の研究(ゲームAI)をしてたんですけど、人工知能研究の分野の一つに「言語解析」的な研究があります。

そんな理由から、僕の研究室には多くの中国人が言語研究を目的に留学生として来日してたんですけど、つい先日、facebookにて結婚しましたよ~って報告を見たところでした。

ですが…知ってましたか?

  • FACEBOOK
  • TWITTER
  • LINE
  • YouTube
  • GOOGLE検索

日本では当たり前のように使えるSNSサービスを始め、YouTubeや主要検索エンジンであるGOOGLE検索までもが中国ではネット規制の対象になっていて使えないんですよ。

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とはいえ中国ですから。ネット検閲をかいくぐる為の機器が当然のように存在し、そういった「機器」を使ったり、もしくは「隠語」などを用いて検索を行うなどしてかいくぐっている模様。

割と最近の出来事で有名なのが…
LINEにて中国人による詐欺が流行ってましたよね?

そんな中国人詐欺師に対して「天安門事件」と送信すると中国のネット検閲が発動し、詐欺師が強制的にネット切断状態になる…なんて事が少し話題になりました。

時代が時代。ネットを中心に反政府運動が拡大しているそうで、そういったのを規制するためにネット検閲を行っているそうですがそろそろ限界じゃねぇかな。中国のネット利用者は五億人超えてるらしいで。

余談になりますが…

今回サイト作成相談を頂いた方がちょうど中国を旅行中にLINE規制が入ったらしく、何の告知も無いままに、突如LINEが使えなくなったそうです。ちなみに香港にいったら規制が解除されて全部使えるようになったんだとか。

※中国といっても特別行政区である香港・台湾に関してはネット検閲がなく、情報を得るという「基本的人権」ってやつが保障されてるみたいです。中国本土がとにかくやばいっぽいなぁこれは。

中国の検索エンジン「baidu/百度」

baidu

皆さんは普段どの検索エンジンを使用していますか?

  • Google
  • Yahoo
  • bing
  • etc…

簡単に日本の検索エンジンシェアのお話をすると「Google+Yahoo=95%以上」といった具合。※Yahooは数年前からGoogleと同じアルゴリズムを採用しているため、検索結果は殆ど同じ

対して「中国は?」というと「百度とかいてバイドゥ」と呼ばれる検索エンジンがメジャー。…というよりもGoogleが規制に耐えかねて撤退し、残った大手が百度っていう風に考える方が妥当かもしれません。

※世界的な検索エンジンシェアとしてはGoogleに次ぐ第二位。
※中国の人口故にナンダカンダ大手の検索エンジン。

日本国内におけるbaidu絡みの事件

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ネットに詳しい方なら「baidu」と聞いて「あぁ…あのヤバイやつか」っていうイメージをお持ちなのではないでしょうか。

キーボードなどで文字入力し、漢字などへの変換サポートをしてくれるソフトとして「IME/インプット メソッド エディタ」というジャンルのものがあります。

その一つに百度が提供する「baidu IME」というソフトがあるのですが、どうやらウイルスの一つ「キーロガー系ウイルス」と同じ挙動を取ることが分かり、「スパイウェア」の可能性があるということで政府からも警告が出されたのは記憶に新しいか。

キーロガーとはキーボードなどの入力情報を抜き出すものになります。要するに「baidu IME」を使いながらキーボードにてクレカの情報を入力すると、カード番号を始めとした入力データがbaiduに送信されちゃいます。

ヤバスギ。

他にも、フリーソフトなどをインストールした際、いつの間にかインストールされちゃってる系のウイルスみたいなソフト「hao123」ってのがありますけど、これも百度の関連ソフト・サービスになります。

残念ながら僕的には…
あまり良いイメージはありませんねぇ。

baiduに対するSEO考察

seo

さて…「ウェブサイト/ホームページ」というのは作るのは正直簡単です。ですが商売で利用する場合は検索されてこそ意味のあるものです。

検索エンジンに対して「検索されるようにアプローチ」することを「SEO/search engine optimization」って言ったりします。詳しい言葉の定義については割愛します。

今回の相談であれば「中国人に向けてサイトを作る」ということなので、「baidu」に対してSEOを考える必要が発生します。

前置きが長くなりましたが…
百度SEOについて調査・考察してみました。

金盾・中国はIPレベルで規制がかかっている

皆さんが何となく見ているホームページ。
※今見られている私のサイトも同様です

どうやって見ることができるか知っていますか?

実はホームページを構成するデータ(画像や文章)っていうのは「サーバー」と呼ばれる「専用のパソコン」にて保存されています。私たちがホームページを見るという行為は「私たちのパソコンA」から「他人のサーバーパソコンB」にアクセスすると言うことです。

パソコンにはそれぞれ識別番号としてIPというものが割り当てられており、IPを調べることで個人を特定することまでは難しいですが「特定のIPを遮断」することは割と簡単にできちゃいます。

こういった規制として有名なのが
「金盾/きんじゅん」と言う名称が付いています。

  • IPアドレスのブロック
  • DNSの書き変え
  • URLフィルタリング
  • パケットフィルタリング
  • etc…

パケットレベルで監視されてるわけです。
ネットでのやり取りが筒抜け状態なわけやな。

その為、次のような事が言えます。

中国人向けにサイトを作るなら中国のサーバー推奨

ホームページを作る場合はレンタルサーバーというものを利用します。私の場合であれば「日本のサーバー会社・エックスサーバー」を利用しています。

通常、1つのサーバーというのは複数人で利用するのですが、仮に「私・Aさん・Bさん・Cさん」の4人で利用していたとしましょう。※実際は何十人ってレベルで利用します

その際、「Aさん」が中国政府にとって都合の悪い内容を記事にしたとしましょう。例えば私のこの記事とかも中国政府からすればアウトかな。その結果、中国政府がIP規制を行ったとします。

そうなると、同じサーバーを利用している全ての人のサイトが中国からアクセス不可になる可能性があります。という理由から、中国人向けにサイトを作る場合は中国のサーバーが良いとされているようです。※通信速度も速くなるしね

同様に、ドメインに関しても「中国のTLD/トップレベルドメイン」である「.cn」を利用するのが良いかもしれませんね。日本からだと取得するのが難しいので「.com」あたりに落ち着くかもしれません。

ウェブマスター的な作業

本格的にサイト運営する場合、日本であればGoogleのウェブマスターツールにてサイト登録などを行いますが、baiduにも似たようなものがありました。キーワードプランナー的なツール類も用意されてるみたい。

リンク一覧はこちら

ICP番号

この他に、中国工信部と呼ばれる「中国版の経済産業省」に該当する機関に対して「サイト作成申請」を行っているかどうかがbaiduにおける上位表示にとても影響するそうです。登録した場合はICP番号というのが発行されるそうです。

icp

例えば「baiduへのサイト申請」のページを見てみると、ページ下記に「京ICP030173号」というICP番号が記載されていました。どうやらコレがキーになる模様。日本のサーバーだと厳しいとかありそう。

HTMLソースコードも念のため調べてみましたが、コードレベルでタグにICPが埋め込まれているわけではないみたいでした。イメージ的にはISO規格みたいな感じなのでしょうか。

サイトマップ

サイトマップに関してはGoogleのようにウェブマスターツールなどから送信するのではなく、robot.txtに記述しておくことで知らせる必要があるらしいです。しかしながらインデックス速度はGoogleから比べると非常に遅いらしい。

その為、インデックス効率を高めるために「クローラーの巡回速度最適化」という意味で、中国のサーバーを使うのがベストとのことです。

内部SEO

内部SEOに関しては割とベタっぽいです。

  • タイトル
  • 見出しタグ(特にh1・h2タグ)
  • メタ説明文(meta description)
  • メタキーワード(meta keywords)

タイトルと見出しが重要なのは日本と同じ。

Googleだとメタキーワードは殆ど意味をなしていませんが、baiduだと重要になってくるみたいです。また、メタ説明文の箇所に関しても重要視されている可能性が高いとのことなので、検索結果の抜粋目的だけでなく、ちゃんと書いてあげる必要性があるっぽい。

game

またタイトルの付け方には規則があるみたいで、「○○_○○_○○」といった感じで、中国のサイトは「_」アンダーラインにてキーワードを区切る特徴がみられます。実際に調べてみると分かると思います。

※上記画像はbaidu.comにて「game」と検索した1番目のサイトです

重要なキーワードをタイトル前方に持ってきつつ、尚且つ、キーワードを区切る場合はアンダーラインを使用するのが中国の検索エンジンでは主流みたいですね。Googleアルゴリズムに変わる前のYahoo検索エンジンみたいなイメージだわ。

外部SEO

baiduにもGoogleと同じで被リンクによる外部SEOの影響はあるみたいですが、割合としてはそれほど高くないみたいです。

影響力が高いサイトとしては「公的なサイト」「baiduの関連サイト」からの被リンクが影響力が大きいらしいです。

その他、中国国内のSNSからの被リンクも影響があるみたい。いわゆるソーシャルシグナルってやつですね。

現実的な妥協点

結局、baiduにて上位表示させようと思ったらどうすりゃいいの?って話なんですけど、「政府筋のサイト・baidu関連サイト・ICP番号を取得した政府が許可したサイト」などの条件があって日本からのアプローチじゃ厳しいイメージ。

現実的な妥協点とすれば「PPC広告を利用しろ」っていうのが僕の結論です。もしかするとPPC広告を出稿する条件にICP番号が絡んでくる可能性があるので調べなきゃいけませんけど…。

日本の検索エンジンと違って、監視の目・政府レベルのバイアスがかかりすぎていて、SEOによる上位表示は個人レベルだと厳しいというのが僕の見解です。

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